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建築情報
2017/02/16

九段会館、天井崩落メカニズムを推定

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建築雑誌より、ご紹介させていただきます。


東日本大震災で九段会館1階の大ホールに天井が崩落した事故を調査した
「九段会館ホール天井落下事故調査委員会」は、
推定される天井の構造や天井崩落のメカニズムを公表した。

調査委員会は設計図などの過去の資料を収集。
事故現場で集めた破片などから天井の部材を復元し、
試験機による実験やコンピューターによる数値解析などによって、
ホールの天井が落下したメカニズムを推定した。


崩落した天井材はラスモルタルの下地と石こうの飾り板を一体化したものだ。
この天井材がアングル材のアーチ野縁にフック金物で吊られていた。


この時の揺れで、まず飾り板を固定していた棒状の石こうが破損。
飾り板が不安定になり、揺れ始めた。
次に天井材がステージ開口部の壁との取り合い部で衝突。
ここを起点にして天井材を固定していたフック金物が次々と外れた。


天井材の重さは77kg/㎡。
ラスモルタルと石こうに板とから成る天井材の特殊な施工方法に起因して発生した落下事故と、調査委員会は推定している。


「現時点では類似の天井がある建物は見つかっていないが調査内容を公表し、共有することで同様の事故の再発を防ぎたい」
と話をしている。