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建築情報
2019/06/05

築5年のマンション外壁が剥落、車に直撃 -強風の影響で重さ2kgのパネルが35m落下-

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建築雑誌より紹介させて頂きます。

 


■概要

2019年4月17日午前0時15分ごろ、県道28号(熊本高森線)沿いに立つ11階建て賃貸マンション「クオリア水前寺公園」の最上階層から剥がれ落ちた外壁パネルが約35m落下し、通行中だった車両の助手席の窓ガラスを突き破った。運転席に乗っていた女性が左腕を打撲。後部座席に乗っていた女性が左足の指を切る軽傷を負った。

 落下した外壁パネルは、1枚の大きさが30cm×40cmで、重さは約2kg。1枚のパネルは24枚のタイルで構成していた。南東側壁面の外壁パネル2枚が強風の影響で剥がれ落ちたとみられ、うち1枚が車両に当たった。

 

接着剤でタイルを貼り付け

 クオリア水前寺公園は2014年3月に竣工した。鉄筋コンクリート造の11階建てで全30戸、外壁のタイルは複数枚を1セットとして、コンクリート用接着剤で壁面に貼り付けられていた。17年7月にも外壁パネルが落ちていた。この後、落下する恐れがあるパネルは剥がしたそうだ。

 タイル張りの外壁パネルは、ひび割れから入った雨水が温度変化によって膨張と収縮を繰り返すことで剥落する危険性がある。事故が起こる前の点検で(16年4月に発生した)熊本地震の影響と見られる小さなひび割れは見つかったが、目視と打診で安全性は確認できたとしている。

 

 

■今回の事故を受け

 熊本市建築指導課の担当者は、「熊本地震の影響による外壁パネル剥落は近ごろ聞かない。地震との因果関係は分からない」と話す。クオリア水前寺公園では、足場を架けて全壁面の点検を実施する。パネルに浮きがあった場合は張り替える改修を行う。点検期間は約1ヶ月を見込んでいる。